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英財務相が訪米切り上げ帰国、財政計画を検討-減税撤回の観測も - ブルームバーグ

クワーテング英財務相は、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会開催に伴う米国での日程を切り上げ、現地時間13日遅くにロンドンに向かう帰国の途に就く。政府の長期財政計画に関連する作業の継続が目的という。財務省の報道官が明らかにした。

  トラス英政権が財源の手当てのない大型減税案の中心部分を断念する準備を進めていると伝えられる中で、クワーテング財務相はワシントンを早々と去る。大規模経済対策を盛り込んだ補正予算案が財政不安を招き、英債券および外国為替市場では過去3週間にわたり動揺が続いた。

  事情に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところでは、首相官邸と財務省の当局者らは、トラス首相とクワーテング財務相のために方針転換の複数の選択肢を策定しているが、最終決定には至っていない。英大衆紙サンによると、来年予定されていた法人税(現行19%)の25%への引き上げを中止するとの公約を撤回し、ジョンソン前首相が当初計画した通り増税にかじを切ることも考えられる。

  関係者によれば、首相と財務相が今週末に新たな案を検討する機会を得るまで、方針転換はなさそうだ。財務相が中期財政計画を公表する今月31日より早い時期に発表が行われる可能性が高いという。

  イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は13日にワシントンの会場に到着した際、大型減税案の撤回が英市場の混乱を終わらせるかとの質問に対しコメントは控え、満面の笑みを浮かべた。高まる危機に対処するため、クワーテング財務相がロンドンに急ぎ引き返した時点で、総裁の笑顔の理由は明白だった。

  ワシントンを訪問中の英高官らは、過去にIMF関連の会議日程を財務相が切り上げたケースを思い出せなかったが、補正予算案が破綻を来しつつある状況は明らかだった。

  ベイリー総裁は、英中銀が長期国債を買い入れる市場介入を予定通り14日で終了すると11日に明言し、ポンドと英国債の売りを招いた。クワーテング財務相は、市場の動揺が来週以降も続くようなら「総裁にとっての問題」になると突き放した。

  ベイリー氏が方針を変えざるを得なくなり、信認が傷つけられるとアナリストは予想したが、総裁の賭けは少なくとも取りあえず奏功したと思われる。

Key Speakers At IIF Annual Membership Meeting

国際金融協会の年次総会で発言するベイリー総裁(ワシントン、10月11日)

Source: Bloomberg

  ベイリー総裁の厳しい期限設定は、資産の処分売りを迫られる恐れのあった年金基金に対し、事業主が提供するつなぎ流動性ファシリティーの利用を促す効果もあった。

  ステート・ストリートの欧州・中東・アフリカ(EMEA)マクロ戦略責任者ティム・グラフ氏は「ベイリー氏の政治家への圧力がうまくいったようだ。中銀の買い入れが延長される目はほぼない」と分析した。

  市場の圧力は今のところ和らいでいるとはいえ、市場が既に織り込む法人増税などの対応策が週明けの取引開始までに公表されない重大なリスクがなお存在する。17日からは英中銀による国債買い入れという安全装置はもはやなく、税と支出で信頼に足る政策発表が行われない限り、市場でショックが再燃しかねないと投資家は不安を隠さない。

  ラボバンクの金利戦略責任者リチャード・マクガイア氏は「沈静化の期待が持てるには、実質を伴う何らかの善後策が必要になるだろう」と指摘した。

Long dated gilt yields plunged further after report of tax cut rethink

 

原題: Kwarteng Races Back to London With UK Preparing Tax-Cut U-Turn Bailey’s Gamble Pays Off, for Now, as Kwarteng Rushes Back to UK(抜粋)

(ストラテジストの見解など追加して更新します)

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