イングランド銀行（英中央銀行）はインフレ抑制のため金利をこれ以上引き上げる必要がなく、政策は既に十分に景気抑制的だと、チーフエコノミストのヒュー・ピル氏が語った。
ピル氏はイングランド・ウェールズ勅許会計士協会（ＩＣＡＥＷ）で、「金融政策は景気抑制的な領域に設定されており、インフレを抑えるため利上げが必要だという状況ではない。現在の水準で金利を据え置けば、インフレを押し下げ続けるだろう」と発言。
「インフレ目標達成に向けて重要なのは、景気抑制的な姿勢を維持することだ」と続けた。
英中銀は先週、２会合連続で政策金利を5.25％に据え置くと決定した。一方で経済成長予測を引き下げたため、市場は追加利上げの可能性を織り込むことをやめた。
短期金融市場はいまや英中銀の次の動きを利下げだとみており、来年は８月から合計0.75ポイントの利下げがあると織り込んでいる。
Markets Are Betting the BOE Is Done Raising Interest Rates
Policymakers are expected to start cutting rates from August next year
Source: BOE, Bloomberg
ベイリー総裁は市場の利下げ観測に反論し、その検討は「 全く時期尚早だ」と主張している。
だが、ピル氏は利上げが効果を発揮していると指摘。「目標値へのインフレ回帰は、全てが外的なイベントの結果というわけではない。確かに世界の動向による恩恵も受けているが、英中銀の金融引き締めの作用もある。この金融政策引き締めがインフレを押し下げ、インフレ低下に寄与している」と論じた。
原題： BOE’s Pill Says No Need for More Hikes to Bear Down on Inflation（抜粋）
(第４段落以降に情報を加えます)
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