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「田酒」の社長に黄綬褒章…「田舎で仕事したい」と脱サラ、「当たり前」疑い冷房導入 - 読売新聞オンライン

 秋の褒章の受章者が発表され、県内からは15人が選ばれた。農業、商業、工業などで模範となる技術や実績を持つ人に贈られる「黄綬」が8人、産業振興や社会福祉など公益に尽くした人に授与される「藍綬」が7人だった。受章者1人に喜びの声を聞いた。

 銘酒「田酒」のブランドで知られる西田酒造店(青森市)の社長として日本酒の味の向上を目指している。「より良いお酒を造るにはどうすれば良いか」を常に考え、酒造りにひたむきに取り組んできた。受章の知らせに「ありがたい」と笑顔を見せた。

 青森市出身。大学卒業後、大手電機メーカーに就職して首都圏で暮らしていたが、次第に「田舎で仕事がしたい」と考えるようになった。当時、妻の父が西田酒造店の社長を務めていたこともあり、33歳の時に転職。専務を経て、2004年に社長に就任した。

 入社当初は、ベテラン社員や 杜氏とうじ をうならせる「うまい酒」がどんな味を指すのかが分からず、様々な酒を利き酒して味覚を磨いた。他分野からの転職組のため苦労も多かったというが、その逆境を逆手にとって「業界の当たり前」を疑って改革に取り組むことにも努めた。

 その一つが、社長になる7年ほど前に手がけた貯蔵庫への冷房導入だ。日本酒は常温保存する蔵元が多かったが、気温で味が変化することから、熟成しすぎないように庫内温度を10度近くに保てるようにした。

 社長になった後の17年には、保管できる酒の在庫を増やすために一升瓶で15万本分が貯蔵できる大型冷蔵倉庫を整備した。「新鮮なお酒をいつでも楽しんでもらいたい」との思いから、品質管理にはこだわり続けている。

 5年後の28年に創業150年の大きな節目を迎える。「これが完成形だ、という酒はない。おいしい日本酒を喜んで飲んでいただきたいという思いは変わらない」と語った。

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