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新NISAの投信1000本公表へ 24年始動毎月分配は除外 - 日本経済新聞

2024年1月から始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)の「成長投資枠」で購入できる投資信託が決まった。第1弾として、投資信託協会が21日にも国内外の株や債券などで運用する約1000本の投信を発表する。長期の資産形成にそぐわないとして毎月分配型は除外した。個人の税制優遇で「貯蓄から投資」を後押しする。

NISAは有価証券の売買益や配当・分配金にかかる税金をなくす個人向けの優遇制度。24年から既存制度よりも非課税枠が大きく、非課税期間を無期限にした新NISAが始まる。新NISAは投信を毎月積み立てる「つみたて投資枠」と、個別株も対象とする「成長投資枠」に分かれる。

今回、投資信託協会が発表する約1000本の投信は成長投資枠が対象だ。つみたて投資枠の投信は約230本で、現行のNISAと変わらない。

公募投信は全体で約6000本ある。その中から投資初心者が扱いやすい投信をどう区分けするかが焦点だった。投信協会は成長投資枠の条件に合う投信を運用会社から募った。今後発表する1000本と合わせ、約2000本が最終的な投資対象となる。

株で運用する投信は「ノムラ日本株戦略ファンド」「世界好配当株投信」、債券は「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(資産成長型)」が入る。指数に連動するインデックス型も多く、販売手数料ゼロの「eMAXIS Slim」シリーズなども対象となる。

現行の一般NISAは公募投信すべてを購入対象としている。日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の2倍の値動きになるレバレッジ型なども入っているが、「税制優遇で長期の資産形成を促すNISAにそぐわない」(金融庁)として新NISAではこうした商品は対象外となる。デリバティブ(金融派生商品)を組み入れる場合、為替変動リスクを抑えるといったヘッジ目的での利用に限るとした。

毎月分配型と、運用期間が20年未満の投信も対象から外す。毎月分配型は運用が不調でも元本を取り崩して分配金にあてる投信もあり、運用効率の低さを指摘する声がある。アセットマネジメントOneが運用する「新光J-REITオープン」は毎月分配型が主力の商品だが、対象に入ったのは年2回分配金を出すタイプだ。

長期の運用実績がある商品に絞り込むことで、一時的な流行で終わりかねないテーマ型の投信などを省く狙いがある。

運用業界からは新NISAの成長投資枠について「投信の条件が厳しすぎる」との声があがる。毎月分配型の投信を2カ月ごとの隔月分配型に変えて規制の網をかいくぐろうとする動きもある。金融庁の幹部は「価格が乱高下するレバレッジ型などが外れるのは当然。長期の資産運用に合わないケースが出てくれば、追加対応を考える必要がある」と話す。

新NISAの年間の投資上限額はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円で併用が可能だ。現行の年間上限額はつみたてNISA40万円、一般NISA120万円で併用はできない。新制度は投資金額が増え、使い勝手もよくなる。

現行NISAは23年末まで株や投信を購入できる。それ以降は新たな買い付けはできなくなる。投資した分はそのまま保有し続けられるため、非課税枠を目いっぱい活用したいなら、現行NISAで長く保有したい株や投信を買っておき、24年以降に新NISAと併せて保有することも可能だ。24年から新規の買い付けは新NISAに一本化される。

新NISAは個人の投資資金をテコに企業成長を促し、株価上昇や配当・分配金で家計に還元するというのが趣旨だ。現行NISAの投信積み立ては米国株や世界株に投資する投信に人気が集中する。新NISAでも傾向は変わらず、海外資産への個人マネーの流出が続く可能性は高い。日本企業に個人マネーを呼び込んで行くには、PBR(株価純資産倍率)1倍割れ問題の解消など企業自身の努力は欠かせない。

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