欧州中央銀行(ECB)は8日開く政策委員会で、0.75ポイントの大幅利上げを決定する可能性が高い。ユーロ圏のリセッション(景気後退)入りの危険が高まる状況でも、記録的なペースで加速するインフレの制御を優先する見込みだ。0.75ポイントの利上げが実施されれば1999年以来となる。
ブルームバーグが調査したゴールドマン・サックス・グループやバンク・オブ・アメリカ(BofA)、JPモルガン・チェースを含む金融機関のエコノミストの大多数が、中銀預金金利が現行の0%から0.75%に引き上げられると予想した。
6日発表されたドイツの7月の製造業受注指数は前月比1.1%低下し、受注が6カ月連続で減少。 弱い経済指標が景気下降の不安をかき立て、景気見通しを懸念するハト派がより小幅な0.5ポイント利上げを支持する中で、ここ数日観測が部分的に後退したが、確定的でないとはいえ、投資家の予測も75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の方に傾いている。
米連邦準備制度をはじめ、特大サイズの利上げに既に動く40余りの中央銀行にECBも加わることで、対ドルでパリティー(等価、1ユーロ=1ドル)を割り込むユーロを支えると期待される。ロシアのウクライナ侵攻などに伴う物価急騰への対応が遅すぎるとの批判に応える強いメッセージにもつながる。
ソシエテ・ジェネラルのアナトリー・アネンコフ氏によれば、75bpを下回る利上げ幅は、一段のユーロ安を招く危険がある。
ECBは最新経済見通しを8日の政策決定発表と同時に公表する。75bpの利上げが実現するかどうかは、成長およびインフレ見通しがどの程度悪化するかにも左右されよう。ユーロ圏経済が既にリセッション入りしていると一部のアナリストは分析している。
ブルームバーグ・エコノミクスのユーロ圏シニアエコノミスト、デービッド・パウエル氏らは「75bpの利上げと同時により大幅な引き締めは利上げの前倒しであり、予想されるターミナルレート(利上げの最終到達点)が引き上げられたわけではないという明確なメッセージを発することが、タカ派とハト派との妥協点ではなかろうか」と指摘した。
What Bloomberg Economics Says...
A compromise between the hawks and the doves may be for a 75-bp hike to be coupled with a clear message that the larger hike is a front-loaded increase and that the likely terminal rate hasn’t risen.
--David Powell, Jamie Rush and Maeva Cousin. Read more here
ECBはフランクフルト時間8日午後2時15分(日本時間同9時15分)に政策決定を発表し、その30分後にラガルド総裁が記者会見に臨む。
原題: ECB on Verge of Jumbo Hike to Rein In Prices: Decision Guide(抜粋)
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