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英新型原子炉開発に日本が参加 30年代初頭にも建造 - 日本経済新聞

GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議にオンラインで出席し、発言する岸田首相(8月24日、首相官邸)

英国政府は3日までに新型原子炉として期待される高温ガス炉(HTGR)の開発事業に日本原子力研究開発機構(JAEA)などを選んだ。2030年代初頭にも英国内に原子炉を建造し、技術の実証をめざす。JAEAは英国の国立原子力研究所や原子力企業ジェイコブスと協力し、原子炉の基本設計や発電コストなどの予備調査に着手する。

岸田文雄首相は8月に新型原子炉の開発・建設を検討するよう指示した。2011年の東日本大震災以降、原子力発電所の新増設を「想定しない」としていた方針を転換した。経済産業省の審議会が同月まとめた次世代原発の技術開発に関する工程表案では、高温ガス炉の30年代の実証運転開始を目指す方針を明記。日本は海外事業に積極的に関わることで技術蓄積や専門人材の育成につなげる。

事業には英政府が約50万ポンド(約8000万円)を拠出する。現行の商用炉が水で炉心を冷やすのに対して、高温ガス炉はヘリウムガスを用いる。900度超の熱を取り出せるため、発電以外にも水を熱で分解して水素を製造できる。

JAEAは茨城県に高温ガス炉の試験研究炉を持ち、安全性などの実証に取り組んでいる。英国とのプロジェクトでは日本の経験やノウハウを活用し、設計や建設、運転に新たな技術を取り入れた実証炉の実現をめざす。

JAEAによると高温ガス炉は熱に強いセラミックで核燃料を覆うため、設計上は事故で冷却できなくなっても燃料が溶け出さないとされる。JAEAは試験研究炉で、運転中に冷却機能を喪失した際の安全性を確認する実験を実施している。

英国は総額3億8500万ポンド(約620億円)の先進原子力基金を創設し、次世代炉の研究開発に取り組む。今回、日本が参加するプロジェクトを含めて高温ガス炉開発で6件を採択した。

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