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熱の下がった米雇用市場、FRBに利上げ見送りの余地-今のところは - ブルームバーグ

米雇用市場の鈍化は、米金融当局に今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げを見送る余地を与える。

  労働統計局が1日発表した8月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比18万7000人増加。6月と7月の雇用者数は大幅に下方修正された。家計調査に基づく8月の失業率は3.8%に上昇。労働参加率の上昇を一部反映した。平均時給は前月比0.2%上昇と、2022年2月以来の低い伸びにとどまった。

8月の米雇用統計、18.7万人増-賃金鈍化、失業率3.8%に上昇 (3)

  LHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏は「労働市場は徐々に熱が下がり続けている。まさに米金融当局が望むような形だ」と指摘。「過去の数字が下方修正され、賃金の伸びはやや小さくなり、労働参加率はなおも上昇している。9月の利上げはここまで基本シナリオではなかった。この統計でその可能性はさらに低くなった」と述べた。

スー米労働長官代行、8月雇用統計についてブルームバーグテレビジョンで語る

出所:ブルームバーグ

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週、ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)での講演で、インフレはなお高過ぎるとし、必要に応じて追加利上げに動く用意があると指摘した。FOMCは7月の会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を22年ぶり高水準の5.25-5.5%に引き上げた。直近のFOMC予測では、年内にもう1回利上げがあることが示唆されている。

パウエルFRB議長、必要に応じて追加利上げの用意-高金利維持へ (2)

  このもう1回の利上げが実施されるのか疑わしいとの見方を投資家は強めている。先物動向によれば、9月19-20日の会合では金利据え置きが予想され、11月利上げの確率は50%より低いとみられている。

  労働市場に復帰している人が増えているというこの日のニュースを、米金融当局者らは歓迎する可能性が高い。こうした動きは賃金圧力の緩和に寄与する可能性がある。全体の労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.8%と2020年2月以来の高水準になった。前月比での上昇は3月以来。

  ドイツ銀行の米国担当シニアエコノミスト、ブレット・ライアン氏は「FRBは供給サイドの反応を見ている。力を増した労働市場は人々を引き込んでいる」と指摘。しかし「追加利上げの可能性は存在するという脅しはなお維持するだろう」と話した。

  クリーブランド連銀のメスター総裁はこの日の雇用統計発表後に、金融当局の行動も一助となり労働市場ではバランスが改善してきているが、雇用は依然として力強いと指摘。「今後の政策判断はリスク管理、そして金融政策の引き締めが過度な場合と不十分な場合とでの異なるコストをどう管理するかだ」と述べた。

クリーブランド連銀総裁、インフレ「高過ぎる」-労働市場の均衡は改善

原題: Cooling US Job Market Gives Fed Room to Pause Tightening for Now(抜粋)

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