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大手キャリアやサブブランドにも対抗 mineoの新プランはどれだけ競争力がある? - - ITmedia

 オプテージが「mineo」の料金プランを刷新し、2月1日から「マイピタ」を提供する。

 現行プランでは500MB、3GB、6GB、10GB、20GB、30GBの6種類に分けていたところ、新プランでは1GB、5GB、10GB、20GBの4種類に絞っている。料金は音声SIM(デュアルタイプ)だと1GBで月額1180円(税別、以下同)、5GBで1380円、10GBで1780円、20GBで1980円となる。

 現行プランではAプラン(au回線)、Dプラン(ドコモ回線)、Sプラン(ソフトバンク回線)で料金が異なっているが、新プランではこれを統一。より分かりやすい料金体系となった。

mineo 現行プランよりもシンプルかつ安い新料金プラン「マイピタ」

 現行のAプランと比較すると、新1GBコースは現500MBコースからデータを500MB増量しつつ130円の値下げ、新5GBコースは現3GBコースから2GB増量しつつ130円の値下げ、新10GBコースは現6GBコースから4GB増量しつつ410円の値下げ、現10GBコースから1350円の値下げ、新20GBコースは現20GBコースから2610円の値下げとなる。

mineo 現行プランとの料金差

 オプテージによると、1GB、5GB、10GBのプランは業界最安水準を目指したという。特に注目したいのが5GBコース。小容量帯では、auのサブブランド「UQ mobile」が2月1日から提供する「くりこしプランS」が月額1480円で3GBとしており、mineoの現3GBプラン(月額1510円〜1950円)を下回るが、mineoの新プランはUQ mobileより2GB大きく、価格も100円安くしており、攻めた内容といえる。

mineo UQ mobileの新料金プラン。月額1480円で3GBは衝撃的だったが、mineoはこれより安く、データ容量の大きいプランを提示した

 20GBプランについては、ドコモ、au、ソフトバンクが月額2480円〜2980円で20GBというオンライン専用プランを発表済みだが、mineoの新プランは同じ20GBでそれらを下回っている。5分通話定額は付かないが、同じく通話定額なしのau「povo」の2480円と比べても、mineoの方が500円安い。

 オプテージ モバイル事業戦略部長の福留康和氏によると、新料金プラン提供の背景には「ユーザーニーズの変化」と「市場環境の変化」があったという。

 ユーザーニーズに変化については、生活様式の変化や節約志向が高まったことに加え、シニアやマジョリティー層からシンプルな料金体系にしてほしいという声が増えているという。

 市場環境の変化については、政府の要請によって大手キャリアが低廉なプランを発表したことで、月額2980円程度の20GBプランが新たなスタンダードになりつつある。mineoの新プラン自体は「2020年8月頃から検討していた」(福留氏)が、3キャリアの値下げによって価格面での優位性が薄れつつあり、「ライフスタイルに合った最適なサービスを選ぶ意識が高まりつつある」(同氏)ことから、今回の改定に踏み切った。

mineo ユーザーニーズの変化
mineo 市場環境の変化

 MVNOユーザーがデータ通信で使用する容量は低容量が大多数を占めるが、mineoも例外ではない。mineoユーザーが契約するプランは約99%が10GB以下で、20GBや30GBのプランを契約するユーザーは1%程度にすぎない。そこで、新プランでは小容量と中容量を中心に改定し、必要なものを必要なだけ選んで使えるシンプルな料金体系を目指した。

mineo mineoの契約コースごとの割合

 特に、現行プランでは3GBコースの契約者が62.9%と圧倒的に多いことから、新プランでは価格競争力のある5GBコースが大きな注目を集めそうだ。3GBから2GB増量したのは、「スマホのコンテンツがリッチ化したことで、データ容量を増やしてほしいという声もあった」(福留氏)ため。

 「30GBはほとんどユーザーがいない」(福留)ことから、大容量は20GBコースに一本化して、ahamoやpovoなどと比べても競争力のある価格に変更した。また、20GBプランは複数回線でシェアをする利用方法も多いそうで、ここも大手キャリアの20GBプランにはない特徴となる。

 一方、ここまで踏み込んだ値下げをすると、収支への影響が心配されるが、「音声卸料金の低廉化が高い確度で見込まれる」(福留氏)ことに加え、AIチャットのサポートや物流・コールセンターなどでコスト効率化を図ったことで、大きな影響はないとの考え。mineoの事業は2019年度に黒字化を果たし、2020年度も黒字化達成見込みだが、プラン刷新を加味した2021年度も黒字化の達成を見込んでいる。

 ここでいう音声卸料金は通話料金ではなく、音声付帯料金として発生している基本料金のこと。日本通信とドコモの協議は終了していないものの、総務大臣裁定によって音声卸料金は値下げされる見込みなので、その分を織り込んだ形だ。実際、mineoのシングルタイプとデュアルタイプの差額は、現行プランだと(Aプランの場合)600円程度だが、新プランでは200円〜300円程度に縮まっており、音声付帯料も下がっていると捉えられる。

 なお、総務省の「アクション・プラン」では3年でデータ接続料を半額にする旨が盛り込まれているが、新プランでは接続料の値下げは考慮していない。新プランでも通信品質は「現状を大前提としている」(福留氏)ものの、「接続料が低廉化すれば、通信品質の改善に当てたい」とした。

mineo オプテージの荒木誠社長(左)と福留氏(右)(写真提供:オプテージ)

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